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細川俊夫さんに2002年に委嘱・初演した「想起」です。最早、私のシンボリックな存在に成りつつある、素晴らしい作品の記念すべき録音です。とても繊細な曲なので、演奏中に膝の関節の音が入ってしまったり!細川さんもレコーディングに駆けつけて下さって、ずっとチェックして頂きました。ダメ出しはもちろん、新しいアイデアの承諾を頂いたり。実はこの録音の前に、プライベートでデモ録音を通して試行錯誤していたので、録音に対してのアイデアなど、ある程度まとめて臨みましたが、やはり録音はナマモノで、この日この時この音色、のような発見を重ねて経験しました。「想起」は、音符1つに対する演奏上のアイデアやプランは、他の追随を許さない圧倒的な厳しさでしょう。
2005年にフォンテックより発表したデビューCD(SACDハイブリッド版)です。これには私の拘りがギッシリ詰まっています。世界的に稀で且つ突出した選曲でありながら、遠い将来に聞き返しても恥ずかしくない構成にする事、委嘱曲と既存曲をバランス良く収録する事、作曲家や委嘱初演者からの直接的なセッションを交えて、しっかり学習した音楽だけをとりあげる事、これまでのマリンバ音源と異なる音質を与える事、等々。当日もマイクの種類や配置はもちろん、マレットや鍵盤の選択にとても時間を費やしました。録音は2005年の4月でしたが、秩父のホールは寒さが厳しく、録音中はホールの空調を止めなくてはならないので、軽くて暖かいフリースを2枚!重ね着して臨みました。何から何まで受け止めて下さった、プロデューサーの松田朗さんをはじめとするフォンテックの皆様には心から感謝しています。